インタビュー: 森 夕香

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Apr 22,2024

森夕香は1991年、滋賀県出身の作家。

森夕香の制作活動やバックグラウンドについてインタビューを行った。

ご自身のバックグランドについて少し教えてください。

幼少期は滋賀県の比叡山の麓で育ち、琵琶湖と山に挟まれて四季がはっきりと感じられる環境で育ちました。神社仏閣の多い場所で仏教の教えが身近に感じられる場所でした。 

成長期の過程での興味の矛先はどこにありましたか?

小さい頃から絵を描くことが好きでした。中学生の頃は映画ばかり見ていました。高校生の頃はダンスには熱中してい たので、身体表現に関心が湧きました。ダンスへの興味から身体感覚、元々好きだった絵が繋がって今に至ります。

アーティストとしてのキャリアはどのようにして始まりましたか?

芸大に進学し日本画を学び始めたものの、作家として生きていこうという覚悟は持っていませんでした。大学に入ってすぐに筆の練習も兼ねて運筆でウサギや猿などの動物を描き初めて、その延長で絵本を描くようになり、そこからイラストの仕事をいただくことが増えました。絵画としての作品制作とイラストレーターとしての仕事を両立するようになり、いつのまにか作品制作の割合が増えて来たという感じです。 

あなたにとってのインスピレーションは何ですか?

日常的にさまざまなものに影響を受けています。気温や湿度などの環境の変化で絵の雰囲気が変わります。

好きな作家は誰ですか?

好きな作家はたくさんいるので絞るのは難しいのですが、前衛映画の作家であったマヤ・デレンとビデオアートのビル・ヴィオラが特に好きかもしれません。 今までで一番大きな影響を受けたのは能楽師の安田登さんの著書「日本人の身体」です。 この本は自分が感じていた身体感覚を全て言語化してくれているような気になります。 

作品を作る中で一番エキサイティング、魅了される場面はどんな時ですか?

緊張感のある線が描けた時と、いつの間にか作品が完成していたときです。自分が作り上げた完成というより、作品の方からもうそろそろ大丈夫ですよと言われているような時です。

プロフィール

1991年、滋賀県出身。京都市立芸術大学院 日本画専攻を修了後、京都を拠点に活動。絵画の地と図の関係を自らの体験をもとに曖昧にすることで、日常生活にありふれた身体的表現を日本画特有の線と顔料で表現している。

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